本題に入る前に脱線したお話です。
ダイビング組と分かれ、シナイ山へ登るのは4人。
翌日のダイビングの為、スタッフはついていけないので、計画した手前、私がグループの代表です。
メンバーは、私と同年代の男性、Yさん。彼は登山もします。
私よりちょこっと上の女性、Rさん。年齢・見かけによらずアクティブな方です。
そして、当時70歳の男性、K先生です。この方は登山の経験もあり、体力もあるのですが、
そうはいっても年齢と、喘息の持病を持っているのが少し不安でした。
午前1時過ぎ、現地ガイドが迎えにて出発です。
ホテルのロビーで見送ったスタッフのことを、私に尋ねました。
「彼は君のハズバンドなの?」
「??・・ちがいますよ。」
と私。
なんなんだ?
山頂へ行くのには、セントカタリーナ修道院の裏手から、階段で直線に登る道と、
途中までらくだを使える道があります。
最後は合流して階段を登ることになります。
行きは【らくだ道】を選択します。
らくだに乗って合流地点までいく・・・はずが、らくだが出払ってしまっていません。
遅れをとりました。どうしよう?
私たちはともかく、K先生が心配です。ご本人も全行程歩くことに不安を訴えていました。
話し合いで、
ゆるりと登りながら、途中、戻りらくだを捕まえましょう。
K先生は無理をせず、つらいと感じたらその場で私たちが下山するのを待ちましょう。
ということになりました。
ここからは、自分たちで山頂まで行き、ガイドは麓で待機するのですが、
このガイド、私たちに従って登ってくれます。
いるはずのらくだがいなかったので、責任を感じているのかな?
と、思ったのですが・・・。
歩きながら、
「恋人ときてるの?」
「彼は、日本でまってます!」
「ノープロブレム!デートしよう。」
「プロブレム!彼が怒るでしょ。」
「日本は遠いじゃない。明日会わない?」
「明日は、ダイビングだから!」
「昼は海でダイビング、夜はぼくと、デザートダイビング!」
「!!」
・・・こいつ、だいじょうぶか?
などどいいながら、肩やら、腰やら触ってきます。
困ったものです。
これは、旅行会社と契約したガイドは、絶対してはいけないことです。
クレームに上げられたら大変。賠償ものですよ。
それに、私の年がわかってるのでしょうか?
もうこの程度のことでは、まったく動じる玉ではありません。
今までに、こういうのに引っ掛かった子がいたのかな?
しかし!先の不安を抱える今、これを利用しない手はないではありませんか!!
いけるところまで引っ張って、いざとなったらK先生を担いでもらいましょう!
※注意!
思わせぶりな態度は非常に危ないので、娘さんたちは、決してやってはいけません!そして、戻りらくだが無事捕まりました。
ここで、らくだに乗って、作戦も終わりかな?と思いましたが、
こんどは、私のらくだの横を歩きながら、足を触ってきます。
だから、私はおばさんなのだよ。
明るくなってから、私を見てがっかりすることでしょう。ちょっと罪悪感。
というのも、結局このガイド、
ごった返すらくだ降り場では、離れてしまったメンバーを探してくれ、
法外なバクシーシをねだるらくだおやじを蹴散らし、
歩きが遅れるK先生にずっと付き添い無事山頂まで届け、
一足先に下山して麓で待機していてくれたのでした。
でも、それはそれ。本当はクレームにしておかしくないのですから。
宿泊のホテルに戻り、チップも払わずに帰したので、最後は納得いかない顔をしてました。
後日、旅行会社が、通常このグレードのガイドが山頂まで行くことは無いのにどうして?と。
苦笑いです。

次回はシナイ山の前編です。
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