【勾玉 (推定・古墳時代以降)】
勾玉を国内オークションで落札しました。
勾玉・・・以前から欲しかったことは事実です。
がっ、勾玉はトレードビーズではなく出土遺物なんですよね。
出土遺物っていうのは、
出土地や出土状況がともなって、はじめて意味をもつものなんです。
あとは個人の嗜好的価値がどうかだけですが。
問題はですね。
たいていは、石ですからね・・・。
出土状況時の観察データがなければ、
時代もなにも同定できないってことなんです。
いくら、材料も加工も古墳にまちがいない!っていってもダメなんですね~。
実際、相当量の近世・近現代物が出回っている思われます。
意図的ではなく、
元のコレクターもバイヤーも時代のあるものだと思ってるってこともあります。
さて、同じように、古墳玉として売られているビーズにも、
結構なインドパシフィックが混ざってるんじゃないかな?
古墳玉に比べれば、入手も容易だったと思います。
特に勾玉といっしょに連に組まれているものは、非常に怪しいです。
(あくまで私の見解です。)
これに関しては、
もともと古墳に埋葬されていたのが、
インドパシフィックやジャワの可能性もあるし、
日本産もインドパシフィックとして交易されていたとの見方もあります。
でも、古墳から出土したものが古墳玉になるのであって、
いくら同種のものだったとしても、
インドパシフィックを持ってきて、古墳玉だよ! とはならないでしょう。
そうして売られちゃったインドパシフィックは・・・
かわいそうに、贋物ってことになっちゃいますよー。
脱線しました。 本題です。
上記のような理由から、手をださなかった勾玉ですが、
オークションで気になったものがありました。
勾玉は人気で、出品されると競るものなのですが、
このこはだれも入札してくれない・・・。
多分、翡翠や瑪瑙・水晶ではないからです。
この際、最低価格なら安いので落としちゃいましょう!
商品写真は赤かぶりしていて、色・細部がはっきりしないけど。
素材は滑石かしら。 形は古墳の典型です。
こんなこでした!

実物は写真とずいぶん印象がちがいました。(いい意味で!)

まず、色がぜんぜんちがう!
そして、ツヤツヤのピカピカです。
えっと、滑石? てか、石??
ちょっと見、骨かと思っちゃいました。
買おうって決めたのは、
おなかと、

せなかに、

アイが現れていたからです!
すてき!!
それも、杏仁形ですよ!
時代ものかどうかは気にしていませんでした。
(高額だったら、もちろん気にします!)
加工痕もよく残ってます。
これもね、
滑石だともっとぬめっとしててこんな加工痕になるのかなぁ?
石に無知でごめんなさい。
もっと勉強します。
古墳時代と仮定したとき、
見た瞬間、この勾玉には遺物としても骨董としても致命的な欠点がありました。
穴がですね・・・。
以前に持ってた人たちの中の、だれかさん。
おそらく、黒いパティナが硬く詰まっていたんでしょうか。
っで、ぐりぐりーってしちゃったらしいです。

どう見たって、原形をとどめてません。
穴なのに穴がないってのは・・・落語じゃないんだから!
もったいなーい!!
でも、そのおかげで観察ができるメリットもありますよ。
本体は、けっこう白いな。
加工痕にも、穴に残っている黒色のパティナが入り込んでるから、
このような覆土か付着物に覆われていたのだと推測します。
表面は経年の着色のなせる技ですかね。
そう見ると、ある程度の時代はあると判断しました。
(近世の根付・提げ物? の可能性もあります。)

このきれいな琥珀色のアイの部分も、表層部分だけみたい。
不思議!
ほんと琥珀みたいですよ!

落としてよかった。 とってもかわいいです!!
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