エジプトの貴族の墓の上にあるクルナ村は、墓泥棒たちが作った村だといわれています。
今は、お土産のレプリカを作っていて、観光ツアーのコースにもなっています。
以前は、貴族の墓を廻っていると、「本物だよ」と売りに来ていました。
わざわざ、土に埋めたり、古色もつけ、
もしかして、と思ってしまう出来のものもあります。
2004年のテオティワカン。
月のピラミッドから、死者の大通りを歩いていると、
いつものように、お土産売りが近付いてきます。
黒曜石のナイフ、オカリナ、アクセサリーなどが定番です。
しかし、彼は、
ポシェットの中から、私にちらりとそれを見せ、小声で、
「おりーじなるっ!」
おっ!メキシコでこういったのは初めてです。
だって、彼等のものは、本当にベタなお土産だからです。
博物館のミュージアムショップのものでさえ、
もうちょっと、なんとかならないのかと。
「おりーじなるっ!」
繰り返す彼の手の中にあったのは、5cmに満たない、座像でした。
おおっ!いい出来!
ミニチュアの土偶とは、なかなか憎いチョイスです。
いかにもそれっぽい。欲しいじゃないか!
この時点で私の負けでした。
20ドルって、高いでしょう!
値切りました。
それでは座像は売れないと、あっさりとしまい込み、
こんどは、1円玉くらいの土面をパラパラと出してきて、
その値段ではこれだ、と言います。
こちらも、わるくありません。
二つの土面を、手のひらの上で、カチカチと打ち付け、
「おりーじなるっ!」
本物は堅く焼き締めてある、と言いたいようです。
テオティワカンの周辺には、住居の遺跡があります。
調査・整備がされていないものも多数あり、
それが、彼の【オリジナル】の拠り所でしょう。
土面もいいけど、土偶はもっといい。
結局、すでに私の負けを見切っている彼に、値切ることはできず、
20ドルの言い値で買いました。
手に取ってみて、やっぱり、いい出来!
メキシコにも、ちゃんとレプリカ作れる職人さんいるじゃないですか!
・・・でも、こんな地味なレプリカ、他に買う人いるのかしら?
予感的中・・・。
この後、同等クオリティーのお土産は、どこにも現れません。
売れなかったんですね。高いし。
こんなことなら、あの土面も買えばよかったなぁ。
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