エジプトのお土産に、ヒエログリフで自分の名前を入れた、
カルトゥーシュのアクセサリーがあります。
メキシコでも近頃、マヤンカルトゥーシュのアクセサリーを、
多く見かけるようになりました。
どうも、エジプトのカルトゥーシュアクセサリーをまねたものらしく、
そして、メキシコのいい加減さも加わってか、本家エジプトに比べて、
いま一つ出来はよくないようです。
エジプトでもメキシコでも、作り方は同じ、カルトゥーシュ枠の土台に、
文字のピースを、ロウ付けします。
2002年のコスメル。
今、きれいになってしまったソカロには、
ごちゃごちゃと、小さなお店が入り組んだお土産市場がありました。
仲間と分れ、ひとりぶらぶら物色していた路地で、おじさんがテーブルをだしていました。
見ると、マヤ文字のアクセサリー。
何回か訪れているコスメルですが、以前はなかったものです。
ロウ付けでも、型抜きでもなく、彫ってあります。すごくいいっ!
おじさん、いまここで彫ってくれるといいます。
私が頼んだものは、銀の透かし彫り。
デザインと文字を確認して、銀の板を選んで・・・
たしか、40ドルくらいしました。
その時は、値切りもせず、さらに持ち合わせが無かったので、
やはり近くをうろついているだろう仲間をさがして、調達しました。
一時間後、受け取りにいくと、
仕上げに、ナイフで、くきくきくきっと縁飾りをいれてくれました。おみごと!
よろこぶ私に、おじさんが、うれしそうに自分の指輪を見せます。
金だよ。と、自慢げ。
それは、浮き彫りの文字がデザインされた、すてきな指輪でした。
そして、2007年。
久しぶりのコスメルのソカロは、変わっていました。
ごちゃごちゃは整備され、きれいな建物になるようです。(もう、完成しているはず。)
お土産屋も一時退去。おじさんもいません。
数年前コスメルに来たという、今回のダイビングガイドさんに話すと、
すくなくとも、彼女が来た時は、すでにいないとのこと。
さらに、私たちが最初からお世話になっている、
コスメル在住の、コーディネーターさんに尋ねても、
そんなおじさんがいたことも知らなかった。といいます。
未練がましく、今年カンクンに立ち寄った時、こちらのガイドさんにも聞きました。
彼女が身に付けていたのは、
チチェンイッツァで売っている、ロウ付けのペンダントでした。
おじさん、どこにいったんでしょう?
というより、なんで誰もしらないのかしら?
あんなに腕がいいのだから、プロの職人さんだと思います。
それなのに、おじさんの作品、あれ以前も以後も、どこにもありません。
いつかどこかで、また、出会えるでしょうか?
おじさん、今度は、私に金の指輪を彫ってくださいね。
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