【 奈良国立博物館 】 に着いたのは、8:25 。
私の前には、年配の男性が歩いていました。
おじさんは、チケットをもっているようで、案内係の方に聞いて本列へ。
私は、昨日駅で前売り買っておけばよかったな・・・ と思いながら、当日券売り場へ。
30人ほどの列の最後尾に並びます。
すると、さっきのおじさんが、すっと戻ってきました。
「 これ、あげるわ。 」
「 !!! 」
おじさんが差し出したのは、 【 第62回 正倉院展 】 の招待券です。 2枚持っていたみたい。
いいんですか! ほしいです!! 遠慮しませんよ!!!
「 ほんとうですか? ありがとうございます! 」
と、いただいちゃいました。
すっごくうれしい。 こんなこともあるんですね! ほんとうにありがとうございました。
これはきっと、 【 螺鈿紫檀五弦琵琶 】 が、私を早くと呼んでいるにちがいない。
と、勝手に都合よく解釈し、案内係のおにいさんのなんともいえない視線や、
私の前のおねえさま方の突き刺さるような視線を振り払って、ふわふわした足取りで本列へ。
おかげさまで、ゆったりと展示を見ることができたのです。
8:45 入場が始まりました。私が入ったのは、8:50 頃でした。
一直線に琵琶へ。
琵琶の周りには、導線が作ってあって、正面で見たい人は線にしたがって流れます。
周りからも見ることができます。
私は、ほどなく正面へ進むことができました。
なんて美しいんでしょう。 圧倒的です。
フォルムも、意匠も、きらびやかで上品ですよね。
私は、これ以上美しい楽器は無いと思っています。
正面で見たあと、後方にまわってしばらく眺めていました。 19年ぶりだなぁ・・・ と。
そうしているうちに、当時、色々な気持ちをかかえながら、
今と同じように琵琶を眺めていた自分を思い出して泣きそうになりました。
その時のそのままの気持ちが琵琶から甦ってくるのって・・・ もう年もとりました。
私にとって、この琵琶はやっぱり特別なものです。
すこし寂しい気持ちで、 【 正倉院 】 まで歩きます。

講堂跡の布目瓦片。
古代の瓦です。
正倉院
来てよかった!
この先、何十年後でも、琵琶が再び外に出たときは必ずきます。
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